あとりえ絵日記
2006

11月の絵日記へ

October24

ダンの庭は一面イヌタデの原っぱ。
夏の間元気な草が伸び放題で、毎年草刈が重労働ですが、今頃になるとイヌタデに覆われ草も伸びなくなります。イヌタデの草むらが虫達の永遠の寝床、秋の陽射しが美しい陰影を作っています。
イヌタデは通称アカマンマ、おままごとのごはんです。子供の頃は大きなアカマンマ(大イヌタデ)がどこにでもありましたが、今はあまり見かけません。ヒマワリ、ダリア、カンナ、百日草、菊なども見なくなりましたが、地方の駅や、村里などで見つけるとうれしくなります。

このところ、森林公園の池にはカモが戻ってきたので、ダンの散歩の時数を数えたり、パンを撒いたり、見慣れないのがいると「あの子誰かしら」なんて話しながら、見違えるほど活気の出た池に寄る楽しみが増えました。今日も元気良くパンの取り合い、追いかけっこしていました。


October12

ムシの大好きなリュウ君が発見した大きなジョロウグモにヤブキリをやったらすごい勢いで近寄ってムシャムシャ食べました。
タイトルは「美と残酷」。。。
受験生のYちゃんもいっしょになってバッタを捕まえて、他の場所捕りをしているジョロウグモにやってはケイタイで写真を撮ったり楽しそうでした。
家の中で2匹のカマキリを見つけ、リュウ君にあげようか、庭に放そうか迷っているうちに一匹が卵を産んでしまったので、庭の木に止まらせたら、自分で降りてきて日向ぼっこをしていました。
卵を産んだのは、台所の壁に掛けてあった軽量カップの取っ手と水筒の紐の間と言う難しい場所。う〜んこれは難題だ。どうしたら卵を破壊することなく、軽量カップと水筒を使うことが出来るか、来年の春まで使わずに我慢するか、悩むところです。
もっとも軽量カップと水筒を同じフックに掛けておいた方も悪いんだけど。。。。
毎年、今頃の季節になると、家の中の暖かさを求めて、カマキリやヤブキリ、カネタタキなどが居ついてしばらく一緒に暮らします。
蝉の狂想曲の後、虫の大合唱。そして、、、庭の虫の音もだんだん聞こえなくなって、しみじみとした気持ちになります。
「秋だな〜」



October9

青い空に気持ちよく伸びた真っ白な角柱。今は使われていませんが、以前竹中工務店の寮だった建物の脇にあり、ボイラーかお風呂の煙突でしょう。山手駅から公団住宅の間の道を迂回しながら上って来ると段だら階段が少しあり、道の両側は土手になっていて、今はススキが繁っています。
この道が好きです。

公団住宅はかなり古く、室内の間取りは狭いですが、駅を見下ろす丘の中腹にあり、日当たりがよく、ゆったりと建てられています。昨年コーラルレッド(明るい珊瑚のような色)に塗り替えられて、これも青空に良く映えています。
高級マンションがどんどん空き地を侵食してゆく山手にあって、この二階建ての公団住宅は良く健闘しています。
この道の左手は谷になっています。沢蟹はもういないかもしれないけれど、まだ竹林などもわずかに残っていて、坂を上る途中で覗き込んだりしています。このごろはアキアカネが群れています。
スロープを上がるようなゆっくりした坂道で、道草しているような感じがいいのかも。。。

October8

ピースサインをしているリュウくんの横にあるのはダンボールで作ったカマキリの巣箱です。3,4日前にアトリエのお姉さんが見つけて、昆虫の好きなリュウ君にあげたところ、、中に木の枝や葉っぱをたくさん入れ、きれいな色紙を貼って、こんな立派な巣箱を作ってくれました。
見つけたとき大きなお腹をしていましたが、なんとこの巣箱の中で卵を産んだのです。だからリュウ君は得意顔なのです。
この卵から生まれた赤ちゃんがリュウ君の家の庭で大きく育ったらうれしいですね。
その2日前、アトリエでカマキリと遊ぶこどもたち。大きなお腹をしているので、いじりすぎて弱らないかハラハラしましたが、おもちゃにして遊びたい気持ちと、弱らないよう大事にする気持ちとバランスをとっています。


October7

林立するビルの屋上の先を見上げるとぎらぎら太陽に抜けるような青空、久しぶりの銀座は秋晴れ!
「武井誠展」に行ってきました。昨年6月に1年間のフランス遊学を終え、帰国してから4回目の個展。1年3ヶ月で4回の個展は超人的です。そのせいかちょっと疲れが出たのかなといったものもあったけれど、本人の制作は佳境に入っているらしく、自信に満ちていました。
ともあれ、これだけがんばっている若者がいるんだと、その生き方に学ぶところがありますね、次回一月(なんと3ヵ月後!)の個展にはみんな見に行ってください。いつも言っている事だけど、同時代を創って行くんだという気持ちをもっと強く持ってほしいです。


September28

この見事なバッテン(x)の真ん中にいるのは「コガネグモ」です。ダンのいる庭の椿の樹にいました。足を伸ばした先にエックス状の太い線があるので大きな体に見せているのかと思ったら、「隠れ帯」というものだそうで、なるほど線が強く目立つので一瞬クモには気づかない。その足は二本づつそろえて延ばしているからお行儀が良いです。

鹿児島県加治木町では、メスの成体を相撲させて遊ぶクモ合戦が伝統行事として数百年間守られてきているというから驚きです。
文禄・慶長の役において薩摩の殿様、島津義弘公が兵士を元気づけ、励ますために、こがねぐも(メス)を集めて戦わせたのが、始まりであると伝えられています。
 4,5月ごろ山野にクモの赤ちゃんを採りに行き、大人が真剣に餌育と調教をして強い成体を選び、合戦の日に備えます。
合戦の時は、瞬時に行事が勝負を見切って引き離し、殺すまではやらない。行事も裃(かみしも)をつけた正装で行います。美人蜘蛛コンクールも平行して行われ、子供たちも町のバスでクモ捕り一日ツアーに出かけるなど、町ぐるみでクモの成育環境の保護にも勤めているとか。

私が子供の頃は、ホンチ(ネコハエトリ)と言うクモをマッチ箱の中で戦わせる遊びがありました。黒くて闘争心が強く、かっこいいクモです。ホンチは雄同士を戦わせますが、戦意を喪失したほうが負けで殺すところまではやりません。これは関東地方の遊びです。
クモというと気持ち悪いと毛嫌いされたりしますが、コガネグモにしてもジョロウグモにしても美しい色をしていますし、益虫です。クモにまつわる文化も各地に残っていて、もっと見直されてもいいですね

クモに限らず、虫を見ると怖がってキャーキャー騒ぐのは良くないと思います。。。が、家の中にいるクモはもうちょっときれいな色なら良かったのにっていつも思います。


September24


最高の秋晴れ!写生会日和です。2年連続厩舎の前でスケッチしたので、今年も「馬が出ていなかったら樹や風景を描きましょう」とがっかりしないよう予防線を張って行ったのですが、いましたっ!馬場に馬が・・・。
うれしくてY子先生と顔を見合わせて「よかったね」
動いている馬はむずかしいけど、やっぱり臨場感があって絵が生き生きします。ゴロゴロ転がって砂浴びしたり、カイバをもぐもぐ食べたり、おしっこをしたり、目前で繰り広げられる馬の生態をきらきらした目で見つめる子供たち。
お弁当を食べてまた少し描いてから、どんぐりを拾いに行きました。
ポニーセンターの裏口からそのまま森林公園の広場に出られます。出たところは、どんぐりの宝庫!
「うわぁ〜いっぱい!」みんな夢中で拾います。
その後は一番のお楽しみ、「おおなわ」です。子供たちに混じって大人も飛びます。だんだんよみがえる子供の時の感覚、感動です。
ドッジボールやバレーボールやフリスビーですっかり童心に帰っていい汗かきました。
「馬の写生画とどんぐり工作の展覧会」は11月7日〜15日ギャラリー千年池で。
お楽しみに!


September20

また暑さのぶり返しかぁ〜と思ったけど、風がさらさらして気持ちいい。やっぱり秋だね。一年中忘れているのに秋のお彼岸になると決まって顔を出す彼岸花。別名「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)天上の花という意味。夏が暑くても寒くても、雨が多くても少なくても、絶対お彼岸を忘れないエライ花です。花が少ない季節に突然真っ赤な放射状の花が咲くので、毎年「あら」。
学名Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話の海の女神 「Lycoris」の名前から採ったもの。華麗だけど、群生していると、「あっち」へ連れて行かれそうな気分になるので、アトリエの庭では適度な数に間引きしています。 森林公園では梅や桜の林の中に群生して目を惹きます。球根に毒があるので子供の頃に抜いちゃだめといわれていたせいか、その紅さが余計鮮烈なのでしょう。




September14


急に寒くなりました。しかも雨。。。秋の雨は寂しいです。
草むらに瀕死のアゲハチョウが雨にぬれていました。
ダンが走って踏むといけないので、そっと持ち上げて椿の枝に乗せようとしたら、パタパタと私の頭を超えて柿の葉に止まりました。少しだけほっとしてアトリエに戻ると子ども達の元気な声。 ドタバタ、キャーキャー、、、、、、、、、元気すぎるよ。



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