あとりえ絵日記
2005

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June30

        
紅く立ち 白くおちるや なつつばき



June29

高良真木さんの「鬼百合」の力強さに失われた時代を見ましたが、昨年の桑田コレクション展にも来て下さった市川のAさんとやはりそんな話をしていた時、1973年に現代画廊で個展をした時の高良さんのパンフレットにダリアの絵があり、「今ダリアを見ませんね」という話になりました。

昔はどこの庭にもひまわりやカンナやダリアがあったものです。(田舎の駅などにたまに見かけますが・・・)このごろは、はやりのガーデニングの影響でしょうか、小さなかわいい洋花があふれています。

新しく建つ家はみんな庭をコンクリートで固めて、レンガのしゃれた花壇を造ります。おしゃれな家には似合わなくなってしまったダリア。

楓ちゃんのお父さんと絵を見ながら話していた時もおんなじ話題が出て、ある年代から上は郷愁もあるけど、“生きるための強さ”をこの花たちに見るのだろうと思いました。
真夏の陽盛りにも負けない。。。

「花屋にもありませんね」と話した翌日、K子ちゃんがバイトしているアオヤマフローリストでダリアを見つけてうれしくなって、紫、赤、白、紫と白の斑入りの四鉢を購入しました。
高良さんの絵と比べると小さく弱々しい花ですが、ダンの届かないところに植えました。その近くでもぐらもやすらかに眠っています。

June24

またまた行ってきました。休憩時間も入れると5時間の超大作。同じくベルリン国立バレエ団の「ニーベルングの指輪」。
お馴染みワーグナーの四夜連続の長大なオペラをベジャールがバレエに構成したものです。バイエルン王ルートヴィヒ2世がワーグナーのパトロンだったからこんなすごいオペラが出来たんですが、その理念をベジャールは一夜のバレエへと再構成し、現代に甦らせたともいえるでしょう。

肉体の極限の美とでも言いましょうか、肉体が衣装のよう。予想を裏切る斬新な振り付けもベジャールバレエの醍醐味。
女性はみんな女神のように美しく、男性はこれも美神のよう。

広吉先生は現在、豊穣の女神「イシュタル」の舞台化へ向けて“花一座”を率いて稽古中とあって、ずいぶんと勉強になりました。
これからさらに推敲してすばらしいものに作り上げたいですね。
それにしても現代の芸術家にはパトロンがいないのがネックです。
ただ、良い作品さえ作っておけば、後の世に誰かが実現してくれるんじゃないかと。。。

June20

三つの歌劇場バレエが統合され誕生したばかりのベルリン国立バレエ団.。世界のプリンス、マラーホフ演出の「ラ・バヤデール」を見てきました。
古代インドを舞台に繰り広げられる愛と嫉妬、裏切り、男女の永遠のテーマをクラシックバレエの要素を多く取り入れながらも、古代インドの華麗なイメージを盛り込んだ4幕3時間の大作。
なんとなんと女性ソリストの美しいこと!!肉体が言語を発し歌っているのです。
二幕で計略によって命を落とすヒロインのポリーナ・セミオノアの切ない哀しみの表現力は正に美の極致!人間ってここまで出来るんだなぁと言う感動。。。
舞台構成、演出、衣装、ダンス、どれも勉強になりました。

チャンバラもいいけど芸術もいいね。
御徒町で食べたお寿司もgoodでした!


June19

桑田コレクション最終日、桑田さんの飲み友達がビールや焼酎をわんさか下げてやってきました。絵を見に来たんじゃなくて呑みに来たんですね。昨年の第一回桑田コレクション展の時も同じパターンでした。
昼の3時ころから宴会のはじまりはじまり・・・。
夕方「花一座」の稽古から帰ってきた広吉先生も加わって盛り上がりました。

建築設計会社社長の平原さんが連れて来たいとこのwさんがギャラリーの坂崎文庫を見て、なんでここに坂崎乙郎の著書があるのか不思議に思ったそうで、聞いてきました。と、いうのはwさんは坂崎先生の息子さんと中学が同級だったとか、坂崎先生にも面識があり、その後も息子さんとつるんでさんざん遊んだそうです。。

坂崎先生は多摩美術大学の恩師で、広吉先生は学生の頃、先生のお宅に遊びに行って、その息子さんと良く遊んであげてたんですね。
その息子さんと桑田さんの呑み仲間の一人が同級生・・・
う〜んなんて世間って狭いんだろう。みんなどこかでつながっているんだ。。。

坂崎乙郎先生には特別な思い入れがある広吉先生は、酒のちからもあって感無量といった風でした。


そして、本日特筆すべきはダンがモグラを捕まえたことですね。
最近の堀り方は、すさまじいものがありましたが、8年目にしてついに見えぬ地底の侵略者をやっつけたのです!
毛の生えた生き物をくわえて茫然と佇むダン。
捕まえては見たけどこんなにかわいいヤツだったことにショックを受けたかのようでした。

可愛そうなモグラは梅子さんの本日のモティーフになりました。






June18

まだ生まれて1ヶ月もたっていないのに、毎日けなげに生きているのに、お母さんも一生懸命付きっ切りで見守っているのに、こんなに大きくなったのに、又一羽やられてしまいました。
目の前で赤ちゃんを捕られてしまうお母さんの気持ちを考えるとうるうるしちゃいますね。
昨年も6羽孵って3羽しか残らなかったから、自然界で生き残る確率はそんなものなのかもしれないけれど。。。
うるうるうる。。。。。。。。
おめめは梅雨でした。


June14

桑田コレクション展が始まりました。案内状に選んだ絵は高良真木さんの「鬼百合」。女性が強く生きることが命題であった時代のにおいのする絵だと思ったからです。
「鬼百合」は強い夏の日射しと対象を食い入るように見つめる「眼」を感じます。こんなふうに行為として激しく描く絵が今、あるだろうか。
みんな小奇麗にかっこよくまとまった絵ばかりじゃないか、という物足りなさを一蹴してくれた絵です。
その高良真木さんが30年ぶりにご自分の絵に逢いに来て下さったのです。

高良さんは1930年生まれ。東京女子大からインディアナ州アーラム大学に転じ、1952年同校卒業、帰国。翌年コペンハーゲンの世界婦人大会に出席、55年までフランスに居住し、グランド・ショミエールに学ぶ。
お母様はまだ国交のない時代に、中国と民間レベルで友好関係を築きあげた方だそうで、ご本人も日中友好協会神奈川婦人連絡会長をされている。
本の挿絵を手がけたり、御自宅のある真鶴に自然・人々・社会との共生の場「真鶴共生舎」を作ったり、幅広い活動をしておられる。。

絵から受けた印象その通りの方で嬉しかった。
現在日中関係が良くないけれど、首相の靖国参拝についてなどわかりやすく語って下さったので、みんなも納得、(写真、一番左が高良さん)良い勉強が出来ました。

ギャラリーの活動も広がってゆきます。。。

June12


宗吾君が搬出に来ました。
水彩の「黒かみ」をビッグな人が買ってくれたことに話題は盛り上がって、
“がんばって絵を描く”という当たり前だけど、これがなかなかやっかいな
気持ちを押し上げてくれたことに感謝。。。
「木曜日武井君から電話があってね」
「フランスからですか?」
「今帰ってきたから、土曜日にアトリエに行きますって言ってたんだけど・・・
その日に現われたのよ」
「テンション高かったですか?」

という訳で、めでたく(?)武井君フランスから帰国いたしました!


June11

1日降ったり止んだり、関東地方梅雨入りの今日はさすがに気が滅入るお天気。夕方「虹が出ている」と言うので外に出てみると立派な虹が・・・
空気が美味しくマイナスイオンが溢れているアトリエの庭。
う〜ん、気持ちいい・・・・・・。

June9

一触即発
  
→  
お見合いしてるんでしょうか、ジーッと見合ったまま動かないこの2羽。
しばらくして、くちばしでちょんちょんいなしたかと思うと、突然ザーッと走り出し水中に引きずり込んだり取っ組み合いの大暴れ。
赤ちゃんたちも非難していました。
お見合いじゃなくてガンつけてたんですね。
♂ってホントに・・・・・・。

June5


岸の苔を食べるあかちゃん、まだ5羽います

ザンネンですが赤ちゃんは4羽になってしまいました。
2日前のこと、島から出てきた親子、お母さんが赤ちゃん
を置いてどこかへ飛んでいってしまいました。残された赤ちゃんたちは元気に泳ぎまわったり苔をつついたりしていましたが、私たちは心配で池を離れられず周りでおろおろするばかり。そうこうしているうちにお母さん、お父さんを連れて帰ってきたのでした。
「あんたもちっとは見てくんないと」
「そう言うなよ、俺だっていそがしいんだから」」
とかなんとか、無事に一日が暮れて、昨日までは5羽いたのに。。。
多分今日の早朝やられたんでしょう。
お母さんに頼まれたのか、遊んでばかりいられないと思ったのか、お父さんと友達合わせて3羽の雄が赤ちゃんの周りを囲むように泳いでいます。警戒してるんですね、もっと早く守ってあげればよかったのに。。。
あ〜ほんとにダメな♂。。。・

June4

ここ2.3日でダンはこれだけ耕しました。見事です。
朝、森林公園で1時間走り回って帰宅してからの仕事です。
このパワーを貯めておいて発電とか動力とか、何か役立つことに使えないかなァ・・・。

June1


デューラーの画集、オランダのおみやげ。

早や6月、桑田さんがコレクションの搬入。今回は水戸の茨城県近代美術館で開催されている「洲之内コレクション展」にも展示されている高良真木、青山美野子、宮忠子、井上肇、木内克、兵藤和男、若栗玄などの作家で構成します。
こんな小さいギャラリーだけど考えてみたらすごいことやってんだね。。。

昨夜は、弟さんの結婚式で一時帰国した美佳子さんとあやさんが遊びに来ました。ひさしぶりに「うすは音」で楽しい時を過ごしました。美佳子さんはロンドンではクロッキーを描いているとか、様々な国籍年齢の違うモデルが描けるアトリエ(教室?)に行っているらしい。あやさんもイタリア、フランス、ドイツ、オランダの綺麗な色の絵の具で絵を描いているそう。。。
国際派のお二人、モデルも絵の具も国際的。





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