あとりえ絵日記
2004

  11月の絵日記へ



October31

10月ももう終わり、あー今年もあと2ヶ月か〜。大人はみんなそう思ってるようだ。子どもはこれからクリスマス、お正月とわくわくだけど・・・。本牧3人組が元気にやってきてどんぐり工作をして帰った。えりちゃん、今夜は魔女になって和田の米軍住宅のハロウィーンに行くんだって。アメリカのお菓子おいしいよ、と朝からウキウキ。。。(まずいよ、という意見もあった)



「halloween」 大野陽平 10才
ギャラリーでは“花一座”のメンバーが来て、広吉先生渾身の戯曲「イシュタル」の台本読み合わせをしていました。広吉先生は今夜、その芝居か朗読会かをするときに、伴奏に使いたいウードの演奏を聴きに行きます。ウードと言うのはアラブ音楽に欠かせない楽器で、小林翼くんが大五郎になった「子連れ狼」にも使われた哀調ある音色の琵琶に似た形の楽器です。
「イシュタル」の神秘的な詩と歌とウードのコラボレーションは素敵だろうな〜♪

October29

   明星を みつめて月の まどかなり

毎朝お散歩で会うご夫婦、月がきれいですね、とご挨拶。「今まではせこせこ働いてばかりいたので周りの草木も月も見ることがなかった、仕事をやめて毎朝散歩をするようになってやっと季節を感じるようになったわ、今が一番幸せ・・・」とおっしゃった。お孫さん男の子二人、夏休みには一緒に散歩に来ていたりしてほほえましい。
いつもダンちゃんに元気をもらっているからと旅行のお土産をくださることも・・・
このご夫妻を見ていると年を重ねるのも悪くないな、と思える。

October27

朝の空きれいでしたね。
風は冷たかったけど。。。



アトリエでは
写生会で途中になった馬の絵を仕上げました。

October26

カモよりでっかい黄金の鯉がいます。しかも人面。。。誰かがカモの赤ちゃんに向かってえさをまき始めると、どこからともなくぬーっと現われて、負けジとばかりガツガツ食べています。ほら、両手を広げて独り占めしようとしているみたいでしょ。
時々大人のカモにつつかれたり、蹴られたりしていますが、びくともしません。
赤ちゃん負けるな!


October24
暑くもなく寒くもなく程よいお天気。こども15名大人17名、先生2名参加の写生会。馬場を走る馬を想像して出かけたのに、馬は厩舎につながれて、しかも洋服まで着ているのでちょっとがっかりしたけど、気を取り直してスケッチしていると、厩舎の人が、体が良く見えるように馬の洋服を脱がせてくれました。
絵を描く者にはヒトはやさしい。。。

絵を描き終わって広い公園に出て、どんぐり拾い…なのに、どんぐりがないっ!あんなにわんさかあったのに、みんな拾われてしまったのです。それでもみんなで拾ったのを集めると菓子箱いっぱいになりました。それから池に行きカルガモを見ました。みんなに赤ちゃんを教えてあげようと思ったのに、大勢の人に驚いたのか、近寄ってこないので「あの辺にいるの」などとあいまいな感じで帰りました。
馬もどんぐりもカルガモもイメージ通りとは言えなかったけど、それなりにみんな楽しかったようでした。今週からアトリエはどんぐり工作です。
馬の絵はギャラリー千年池で展示しますのでお楽しみに。

October23
アトリエ前の道、向こうからニコニコやってくるのは・・・ん?ロスにいるはずのあべちゃんではありませんか。2,3日前手紙が着いたばかりなのにもう帰ってきたの?時差ぼけを直すんだといって、おしゃべりしたりコーヒー飲んだりしていました。日本語学校に行きながら日本語教師のアシスタントをしていたそう。。。バスに乗っても降りる場所がわからず、乗客の誰にも英語が通じず、仕舞いに泣きだしたら、ポリスを呼んでくれて、でっかい黒人のおまわりさんに学校まで連れて行ってもらって恥ずかしかったとか、日本語教師のアシスタントで行った幼稚園では、子どもたちに馬鹿にされてMonkyと言われて悔しかったとか、ハリウッドの中のバーでは、子どもと思われて、パスポートに23歳と書いてあるのにどうしても信用されず、40分も調べられたとか、過ぎれば笑い話だけど、本人は必死だったらしい。
恐い目にも遭ったらしいけど、ともあれ無事でよかったよかった。

「フランス人形」北島佳緒里 9才

October19

また超大型台風が来ましたね。TVで真面目な人が「チョウ」って言ってると変な感じがするのは私だけかなって思っていたら、アトリエでも「チョウ、チョウって言ってますよね」と話題になりました。(別の意味か?)被害がないといいですね。
今朝の池には新顔がいました。この子は誰かな?
Yhooオンライン野鳥図鑑で調べたらコガモの雌か、オナガガモの幼鳥か、っていうところですね。
わかった人教えてください。カルガモよりかなり小さめです。


October18


   ぬぎすてし 飛天の衣 秋の空

なんだか俳句の人が日替わりで来ていたせいか、つい詠んでしまいますね。
まあ素人ですから笑ってやってください。なんたって、3句目よ。
早朝の流れるようなピンクの雲を見ていたら羽衣のようだなって思いました。




図鑑で調べたらカルガモは唯一“渡り”をしないカモなんだって。ふ〜ん、じゃあ毎冬この池に来るカモたちはどこから来るんだろう?どこへ帰ってゆくんだろう?村の古老に聞いてみようか。(いないって)
本日の赤ちゃんはと言えば・・・おお元気だね、大きくなったね。つるちゃん(柴系雑種)のお母さん(育ての親)によると、赤ちゃんは6羽生まれて、3羽亀にたべられたんだって。初めて見たときは(8月16日)4羽いたから、すでに2羽食べられていたんだ。。。猫でもカラスでもなく亀というのはちょっとショックでしたね。

残る3羽がお母さんとオナジくらいになりました。よかったね。

October17

郁子(むべ)とカリン

桑田コレクション展最終日。珍しい人があらわれた。20年近く前に一度家に来たことがあるAさんで、当時は宇部の高校の先生をしていた。春休みを利用して宮城県美術館でやっている洲之内コレクション展を見た帰り、突然訪ねて見えたのだった。
その日は暗くなるまで坂下先生の絵を見ていた。電気をつけましょうか?と聞くと、いや、このままで・・・と言って、うす闇の中、見えなくなるまでずっと見ていた。
そのとき初めて聞いた話。。。坂下広吉の絵を宇部の菊川画廊で買ったこと。お給料が少ないので、家庭教師のアルバイトで毎月もらう1万円をためたお金で買ったこと。。。
それを聞いた時、いたく感動したものです。そして今回、その絵が始めて買った絵だったことも。。。
昨日まで1ヶ月間、菊川画廊の企画展の手伝いをしていて今朝帰ってきたとか、桑田コレクションの森田英二の絵を見たくて。。。

絵の好きな人ってすごいな〜、本気の眼を感じるし、絵に対して純粋なんですね。教えられることが多いです。

3時ごろ、桑田さんの呑み友達2名が来て、庭のテーブルでお馴染み宴会が始まる。設計会社社長のHさん(ニモとハコフグを飼ってる独身)の独演会。。。面白い話に、受験生男子、美人OL(誰??)2名も加わり、桑田コレクション展の打ち上げとなりました。

沈む夕日と三日月がきれいでした。



October16

昨日は夕焼けが美しく、桑田さんは誰もいないアトリエの2階の窓辺で1時間空と富士を見ていました。途中で句帳を取りに行っので、そのうち名句が出来るかも?
でも今日はもっとすごい夕焼けで、桑田コレクション展を見に来た俳句仲間も来るなり次々と2階へ直行し、感嘆の声をあげながら雲と夕日の織り成すダイナミックなドラマを鑑賞。アトリエのみんなも絵を描くのをやめてケイタイでバシバシ写真を撮っていました。夕日が富士裾野の左側に沈んだ直後に富士山が半分ピンクになったのは始めてみました。まさに幽玄の色彩。それからしばらくは天が大火事になったように真っ赤に燃えて、燃えて、もえて・・・
みんなが幸せになった時間でした。
空のコンダクターは一体誰なんだろうね?


日が暮れて、ギャラリーには柏から坂下先生の友人渡部さんも駆けつけ、おじさんたちの楽しそうな大きな笑い声がアトリエにも聞こえてきました。おじさん予備軍のk君、「すげ〜たのしそうだなァ」だって。

October15


個展会場にて
午後から京橋のhino galleryへ真悟さんの個展を見に行きました。喧騒のNYで描いていたとは思えない静けさ、瞑想的な青。ずいぶん作品良くなったね、えらいえらい。。。作品はすべてを語るのです。
アトリエにはじめて来たのは2001年9月、それからずっとプロセスを見てきたわけですから、努力が素晴らしい作品として結実したことが何よりもうれしいです。
最高のお天気の銀座を気持ちよく歩いていたら、明治屋の前にさしかかり、「そうだワインを買おう」と中に入りました。どれがいいかな〜と見ていたら、販売員さんが何かお探しですか
と現われ、イタリアンレストランで美味しかった銘柄を言うと、「そういう名前のものはありませんね、今スペインのワインフェア期間なので試飲をしてみませんか?」と言うより早く注いでくれました。
これは、コクがあるわ、これは渋みが強い、これはシャンパンみたいね、などとあれこれ呑んで、ちょっと辛口気に入った大人の味の赤白と、ビンに花の絵がペイントしてあるのもかわいいと3本購入。しかし販売員さんはついでだからと次々注いでくれるのをいいことに全部いただいてしまい、ほろ酔い気分で銀ブラをしながら帰ってきたのでした。


   天高く 銀座をふらり ほろ酔いで

                                おっ 季語があるじゃん。

October14


ギャラリーは桑田さんの俳句仲間が3人見え、坂下先生の酒「歌垣」を呑みながら俳句の話で盛りあがる。良き仲間と良き酒、人生最高の楽しみですね。。。
夕方真悟さんが仲間に加わりさらに盛り上り、個展も見に行きますね、などと皆さんすっかり真悟ファンになりました。

匆々たるメンバー


               
わ〜い のっぽだぞ〜♪
















「キリン」  あかり 7才


October12

    
akari
桑田コレクション展初日、あいにくの雨ですが、紙版画の井上員男さんが奥様と共に來廊され、30年ぶりにご自分の絵とそれを大切に持っていた桑田さんと再会。思い出話に良き時間を楽しんでおいででした。帰りにアトリエを見学、「ああ懐かしいなぁ」と入ったとたんに一声。油えのぐやオイルの匂い。若いころ指が擦りむけるまで石膏デッサンしましたよ、と懐かしんでいました。2度芸大に落ちてあきらめたけど、それが良かった。それがバネになって今日までやってこれた。皆さんもあきらめず夢を持って続けてください。とみんなをはげましてくれました。奥様は2階にあったトチノミを見つけ、なつかしいと、フウとムクロジの実もおみやげに持って帰りました。
一方、アトリエの4人娘は京橋駅で待ち合わせて慎吾さんの個展に行って来ました。会場で、高樹沙耶を見かけたとか。ブルーの美しい慎吾さんの絵に海を見つけに来たのかも。。。
次に紹介するのは個展までの流れや掲載誌をなど、おなじみライブアより。ここに載ってる慎吾さんの顔ってアトリエの慎吾さんページからとったみたい。別にいいけど・・・カオ細くなってますよ。(比べてみてね)

October10


昨日の嵐で、森林公園の崖が崩れ、スタンドの周りに今年作ったばかりのフェンスが100メートルくらい倒れていました。近所でも棕櫚の直撃を受けた大谷石の塀が狭い道を塞ぎ、アトリエの庭も柿や栗の葉と枝が散乱、久しぶりの関東地方直撃台風でしたね。
午後、12日から展覧会の桑田さんが俳句を書いた短冊を持参。広吉先生は7年もやってるのに下手だね〜、なんて失礼なことを言ったらしい。実は、先生はこの展覧会が実現したことを桑田さんと共に喜んでいるのです。

  
 「八ヶ岳のタカ」
    滝山洋輔 11才
洲之内さんや乙郎先生がいて、絵に夢と価値があった時代を共有した仲間に対する親愛の印です。桑田さんが帰った後で、「下手だからいいんだよ」。
この俳句も展示しますのでお楽しみに。
ギャラリーでは、“花一座”のメンバー二人に美佳子さんも加わって、広吉先生の新作「イシュタル」の読み合わせをやっていました。さて、次回公演はいつになるでしょうか。。。


October9



背中に光る雨つぶ
一列になって・・・
関東地方に台風接近、午後からは看板や植木鉢が飛んでくるのでできるだけ外へ出ないように…とお天気お姉さんが言っていました。でも、ダンにはお休みがないのです。小学2年生のイチローは、「これから毎日野球をやる」と宣言して7年間1日も休まず練習したそうです。ダンももうすぐ7歳、イチローに並びますね。がんばれダン!
雨の森林公園は見事にだれもいなくて貸切り状態、水しぶきを上げて走るダンのバックミュージックは津軽三味線じょんがら節が良く似合う。増水した池では、カルガモがのびのび・・・。親子は?と探すと、橋を超えて湧き水の方の狭い川に移動している。あれっ?もしかして橋を飛び越えたのかな。そういえば羽根もお母さんと同じ位になったよね。
陸に上がって池から打ち上げられた落ち葉や泥の中から何かつついて食べているグループもいて、この大雨による環境の変化を楽しんでいるようだ。
帰るころになって、ジャーマンシェパードのホーダイ、ラブラドールレトリバーのリッキー、そしてお友達のハナちゃんに会いました。
帰り道、伊藤忠商事の社員寮があったところ、大きな金木犀が見事に金色の花を散らしている。今は大きなマンションになったけど、立派な楠木も残してくれてよかった。

October6

バッチリ秋晴れ!金木犀の香りが漂い、誕生日祝いの花が届く。
Kちゃんありがとう〜♪

最近のアトリエは真悟さんの話題で盛り上がっています。
昨年のクリスマスパーティに来られなかった真悟さん、今年の春になってアメリカのお土産をもって参上。シュトーレン風のケーキパン、おいしそうねとみんなワクワク・・・しかし賞味期限2003.12.25。ザンネン!(ギター侍風)


Happy Birthday!
さわやかな真悟さんにはオレンジジュースが良く似合う。朝9時半、2階窓側にジュースのパックを置きテーブルをセット、その上にはセルリアンブルー、コバルトブルー、ターコイズブルーなどの絵の具、ガラスパレット、大小の筆などが並ぶ。お馴染みブルーの絵を着々と描き、帰りに1階の水道でジュースのパックを切り開き、きれいに洗って干して帰ります。。。ゴミを分別する偉い人。
地塗りで使い果たしたジェッソの空き容器を
どうやって捨てたらいいですか?と聞きに来る、m先生をゴミ分別で悩ませる人。。。
時に、ジュースパックは2階窓に、トイレ前の棚に…。様々な場所で忘れ去られています。コピー機の蓋を開けたら身分証明書が、なんてことも。極め付きは、電車に乗って重いから自分の足の間にバッグを置いて座り、降りるとき、バッグをわざわざまたいで降りてしまったこと。真悟さんから聞いたんだからホントだよ。自分でも認める超忘れっぽい人。。。
女性が多いアトリエでは一緒にお昼ご飯を食べます。数個入りのドーナツを食べているY子ちゃんに、それ全部食べるの?(マジです)と言って1個もらっておいしそうに食べてる子どもっぽい人。。。
何をやっても憎めない人。。。

NYでは、部屋代が高くて…いくら?10万。これからバイトしなくちゃ・・・というわけで、ピュアでプアーな人という結論なのでした。


October5


 eri&kaede 毎日暑い暑いって言ってたのがウソみたいに寒くなりました。しかもこの雨。。。雨。。。雨。。。
先日は真悟さんのお父さんがサム・フランシスであった!とびっくりしましたが、実は、お母さんもビックな方なんです。出光眞子さん。あの出光興産の娘さんでありながら家族の反対を押し切って渡米、サム・フランシスとの間に2子を儲け、映像作家への道を歩むのです。日本の映像作家の草分け的存在で、現在も作品を発表し続けています。
こんなビッグなご両親を持ちながらなぜ真悟さんはいつもビンボーなんだろう?というのがアトリエでのもっぱらのうわさです。
アトリエの女の子たち、来週の火曜日に京橋で待ち合わせて真悟さんの個展に行くそうです。方向音痴で一人では行けない人がツアーを仕切っておりました。

October3


お母さんと同じ大きさになるにはあと1週間くらいでしょうか。たまに見る人には見分けがつかないくらいに大きくなって、ギャラリーの蒔くえさに群がる大人の♂ガモを威嚇して追いかけ、追っ払う気の強い子もいたりして、なかなか面白い。
毛づくろいをする親子のカモを岩の上から見るハト

October1

広重の版にまさるやけふの富士


一句
詠んでみました。waikoさん添削してください。
実は昨日の夕方、アトリエの二階から見た富士山です。
今宵は小用で大森に出かけました。猥雑な駅前の道路を隔てた向かい側、急な石段の上に小さなお稲荷さんがあって、狭い境内にこれもまた小さな滑り台やジャングルジムがあり、不思議な空間をなしていました。その急な石段は文士坂と言って、そこから見た八景のひとつが広重の絵になっていると言う説明書きがあり、大きな松と遥か房総の海が描かれていました。
閑静な高級住宅街を抜けて、駅までの道すがらきれいな月を見ました。




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