あとりえ絵日記
2009

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7月の絵日記へ

June23

ルキーノ・ヴィスコンティとカラス。20世紀最高の歌姫と一流の監督にして演出家。マリア・カラス主演のスカラ座での演出を手がけているところです。ルキーノ・ヴィスコンティは「ヴェニスに死す」や「ルートヴィヒ」など音楽的にも素晴らしい映画を作っていて、当時スカラ座の大株主の御曹司でもあった。
カラスの生涯はまるで綺羅星のような女神神話だ。母親に愛されず辛い子供時代を過ごし、父母とともにギリシャからニューヨークへとやってくる。やがて華やかなデヴュー、そして成功。晩年はギリシャの大富豪オナシスとの恋に破れ、孤独と失意のうちに睡眠薬の多用で亡くなった。今から30年前のこと。
オナシスが恋人のマリア・カラスを振って故ケネディ大統領の未亡人ジャクリーヌと結婚したのは当時スキャンダルとして報道されていたので、映画を見ると鮮やかに当時の社交界の様子が甦る。


先週「マリアカラスの真実」を観に行った。マリア・カラスのドキュメンタリー映画で、波乱の生涯が淡々と語られる。当時の社交界やカラスの舞台の映像、その比類ない歌声が堪能できる素晴らしい映画でした。次週から同じ映画館で「マリアカラス最後の恋」をやるけどこれは晩年のオナシスとの生活を主に描いたもののようなので見るのはやめた。やっぱりカラス以上に美貌と美声とカリスマを併せ持つ女優なんてお目にかかったことが無いし、上質のドキュメンタリー以上の作品って難しい。以前見たカラスの映画は期待を大きく裏切ってくれたし・・・。

‘ジャック&ベティ’中学生のときの英語の教科書と同じ名前だ。この映画館は関内MGA(旧関内アカデミー)、日劇と同時に2005年に閉館になってしまってそのときのショックは大きかった。幸いオーナーが変わりここだけは復活して、「ジャック」は名作2本立て、「ベティ」は単館系ロードショーの映画館として再開してくれたので、時々チェックしています。
しかし、一日たった一回きりの上映なのに映画館の座席には私たちのほかに3,4人。。。これではまた閉館なんてことに。。。
みんなもっと映画を見ようよ。町の小さな映画館の灯を消さないで!!

☆「マリアカラスの真実」 26日まで  シネマジャック&ベティにて



June20

モンキアゲハ、日本最大のアゲハチョウです。きれいな羽根を広げて道路わきに力尽きていました。関東以南に生息していますが、温暖化の影響か東北地方でも見られたそうです。

チビちゃん(08没)のパパから「ジャガランタの花って知ってます?」と聞かれたので「いいえ」と答えると、その花の咲いている家を教えてくれました。ああ、それなら毎朝散歩のときに通る道にある家で、2,3日前にきれいな紫の花が咲いていて、何という花だろうと思っていたところでした。形は桐の花に似ています。
これは南アフリカの花で、そこのお宅でも10年ぶりに初めて咲いたのだとか。わざわざジャガランタの花を見にアフリカまで行く人もいるそうです。
南アフリカの首都プレトリアはこの花で有名、世界三大花にも数えられているのだとか、ふ〜ん知らなかった。日本の桜並木のようなジャガランタ並木があるらしい。
見てみたいなぁ。



June15

気の置けない友人と鎌倉へ。
○○年前に鎌倉の中学に行っていた友人が同級生の家を探すというので付き合った。私は高校からの同級生。雪ノ下1丁目の路地を記憶を頼りに行ったり来たりしていると、観光客慣れしている地元の人が親切に大佛次郎の書斎だったという家を教えてくれた。観光客でもないけど住宅街の中に趣のある木造のこじんまりした家を見に行き、その佇まいに歴史をしのんだ。
すでに立て替えられた家も多く、もう無くなっているかもしれないね、などと話しながらさらにうろうろすること数十分、やっと同級生の家を発見。昔の面影が残る木造の家で、なんとなくみんなほっとして八幡宮にお参り。平日というのに観光客が多く、なるべく人の居ないところでおしゃべりをした。そう、観光じゃなくおしゃべりに来たんだもんね。
小町通りは人でいっぱい。横道に入って人の少ない中華料理屋でランチの後、線路沿いに駅方面へと歩く。道沿いにタチアオイの花が延々と植えられていて見事。柵の中にはカンナやヒャクニチソウ、ダリアなどなつかしい花々が植えられている。田舎の駅でしか見られなくなった植物がたくさんあって、有名なお寺のアジサイよりよっぽど素敵なのでした。


それから歩いて10分くらい湘南の海を見て帰りました。もちろんその間おしゃべりは絶えることがなかったのでした。

June10

 墨田の花火  ユキノシタとドクダミ
関東地方梅雨入りか…やだなぁ、あの蒸し暑さがなければねぇ。でもお米には必要なんだからねと思い直す。これ毎年のこと。
うっとうしいこの季節には清々しい白い花が清涼剤となってくれる。ドクダミ、露草、墨田の花火(アジサイ)そしてちいさなユキノシタ。アトリエの庭に小さな白い花がかわいらしく咲いています。
ツユクサ
森林公園にも今ヤマボウシが緑の中にひときわ白くきれいです。まだシロツメクサも残っているし、ナツツバキも赤い幹の下に可憐に散り敷いて美しい。もう終わってしまったけど木苺の花も清楚でした。
そしてこれから夏に向かって、肉厚の純白の花と良い香りのクチナシがとっても楽しみです。


June7

森林公園への入り口の一つ、米軍のベース側から毎朝ダンの散歩に行きます。じゅーじゅー亭(焼肉屋さん)の横の坂を下ってバス通りを横断、米軍の大きなブルーの看板を左に見て、道の反対側に大きな屋根付のベンチがあります。元はアメリカンスクールのスクールバスのバス停だったのじゃないかと推測していますが、大きな壁にペンキで絵が描いてあります。ここのベースに勤務する軍関係の子供たちが20年以上前に描いたものでしょう。富士山、神社、東京タワー、公園、港、船、自由の女神などパノラマの風景の中に金髪のこどもや日本の子供たちが楽しそうに生き生きと描かれています。
ここのベンチには長らく家の無い人が住み着いていましたが、病気になったらしく、親切なおばさんが役所に知らせ、今は病院に入っているらしい。それで、この写真が撮れたのです。
工事中のコーンポールが並べられたところを見ると、もしかしたら近々取り壊されるのかもしれません。最近その周辺の歩道や、バス停などが補修されたり移転したり整えられてきたからです。日米友好の一枚の大きな壁画。横浜開港150年の歴史の一枚かもしれません。




June1
       
10年ぶりくらいだろうか大山に来たのは、、、。
ああこの清涼感がたまんない!
雨のような霧のような水分をたっぷり含んだ空気が胸の中を洗浄してくれる。小さなでも都会から来ればザアザア水が流れてるだけで感動ものなのです。みやげ物の店や、名物の大山豆腐料理の店が軒を連ね、ケーブルカーの乗り場まで楽しめる。
これも名物の大山駒とケンダマををモチーフにいいなと買って、ケーブルカーで大山阿夫利神社へと参りました。
空気の澄んだ日は山頂から三浦半島、房総半島、都心の高層ビルまでも望めるという、東京近郊の山では一番を誇る眺望も、この日は雨模様で、山頂でもないので伊勢原の町しか見えませんでしたが、それでも充分高い山を実感しました。
境内の一隅に、‘豆腐塚’というのがあって、「あさくさの子供」(第9回芥川賞)などの名作を書きながら交通事故で世を去った作家、長谷 健(はせ・けん)を悼んで九州文学の同人たちが建立したものだそうです。彼が大変な豆腐好きだったことから、塚の上に豆腐に見立てた四角い石が乗っかっています。
広吉先生も会員になっている東京作家クラブの先生方も亡くなると祀られるのだとか。広吉先生も祀ってくれるのかなぁ。
帰りに雰囲気の良い茶店風の奥座敷で豆腐料理と山菜そばを食し、帰路へ。


店を出たころ雨も本降りになりそうなので緑深い大山を後にしました。そうそう帰りにマリンタワーがリニューアルしたので行ってみようかと意見もまとまり、事故のため渋滞で時間を食ったのでとっぷりと日暮れて、山下公園に着いたのは7時を回っていました。マリンタワーに昇るのも30年ぶりくらいかな、すっかり港の風景も変わって、みなと未来から本牧、根岸森林公園まで、横浜らしい風景が広がってきれいでした。一時は壊されるのでは、と心配していたマリンタワーも白くすっきりしたデザインに生まれ変わり、レストランも新鮮な三浦野菜を使ったメニューでとってもおいしかったのでした。


May15

広吉先生は咳がひどくてゴホンゴホンやってます。多分一生に一度の風邪じゃないかと思うくらいすごい!私も連休明けに風邪を引き、ずっと声がおじさんになっています。。
でも豚インフルエンザじゃないのでご安心を・・・

体調とは正反対に新緑の季節、生まれたての緑のなんと美しいこと!だから生きてゆけるんですね、人は。。。毎朝ダンと行く森林公園の緑が深まって行く中で深呼吸したり、、日中や夜は時々庭に出て深呼吸しています。

最近、森林公園のスタンドの横に真新しいバスケットのゴールが出来ました。以前も古いゴールがあって、毎朝黙々とボールを一人で投げていた人がいました。いつか壊されたとき「無くなっちゃいましたね」と顔を見合わせて苦笑したことがあります。
その後、どこに作ろうか検討していたらしく、新しくなって見ると、以前は無かった立派なコートもあり、赤、青とゴールも2つ。コートは真ん中の数本の樹をよけるようにコの字型に作られています。
その人に「もうやらないんですか」と声をかけると無言のまま笑って、次の日から毎日ボールを投げる姿が見られました。


April30
「武井誠展」藤沢さいか屋にて。デパートというグレードの高さも見事にこなした、初期作品から現在までの40点余りが展示されて立派な展覧会になっていたのがうれしいです。
猛々しくも初々しい初期作品に比べ、近作はフランスに取材したものが多く、泰西名画を見るような落ち着きと気品がありました。特に19歳の時に描いた「山手の焼き芋屋」はアトリエで褒めた記憶が甦って感慨深い作品でした。
本人も 生活上の様々な困難にあっても、その創作意欲や質を高める努力を怠らない、本物の『絵描き』になったんだなぁ、と思いました。

せっかくの外出、しかもフジサワですから、やっぱ、江ノ電でしょう。
初めて乗った江ノ電はうわさに違わず、住宅街すれすれに線路が伸びて面白い。近所の人も下駄がわり、観光客も、遠足の小学生も、、、で、昼間なのに混んでました。途中から海が開け遠くへ来た気分。この気分が大事ね。鎌倉で降りて、小町通りを散策。フランスから湘南の海を見て鎌倉を回ってきた一日でした。

April24


真悟さんの個展に行ってきました。日本大通のギャルリーパリで。ここの空間には真悟さんの絵が良く似合う。真っ白な壁、歴史を感じさせる建物。昨年11月ヒノギャラリーで見た濃紺がさらに進化し、深みを増し、マットな画肌が美しい。そして「白」は初めてだ。微かにピンクがかった白。アイボリー系の白も素敵。ずいぶんと精進したんだなぁ・・・。
さらに進化し続ける真悟さんにエール!
ギャラリーを出てスタジアムのある横浜公園を通ると、横浜開港150年祭を意識してか、見事なチューリップがびっしりと開花していて眼を楽しませてくれた。

April22

アトリエ展の報告やっとできました!
超多忙につきその他すべて遅れてます。アトリエ展の会計報告、写真の焼き増し、HPの「アトリエ展2009」の更新もう少しお待ちください。
でもでも今年は「草信vol26」も出すし、絵本の出版も企画中です!
がんばるぞ〜!
アトリエ大賞には神部美歩ちゃんのほか、株式会社クサカベから協賛を得て、クサカベ賞を美原きらら、將宏姉弟に、奨励賞を菊地理沙さんと板倉洋介さんに授与しました。
また、自由にアクリル絵の具で、ダンボールに絵を描き、お城(?)を作るワークショップを行いました。楽しいイベントに外部から参加した親子も多く、地域に根ざした活動が実を結びつつあるのを実感しました。

今年のアトリエ展は3月27日から29日と例年より1週間早く準備が大変でしたが、お天気にも恵まれ心に残る展覧会が出来ました。ご協力ありがとうございました!



March7

アトリエ展のポスター出来ました!
今年は6年生の神部美歩ちゃんの絵です。以前からその優れたデザイン性に着目していましたが、明るさ、自由さ、世界観、色彩の美しさ、すべて満たしていてすばらしい。
デザイン上絵の両サイドをカットせざるを得なかったのが残念ですが、わくわくするようなポスターになりました。これで集客はバッチリ!!
但し、貼らないとね。。。ポスター貼りメンバー募集中!!




February16

東海道線の二宮駅から徒歩5分、吾妻山頂上から見た菜の花と富士山です。5分と言うのは上り口まで、頂上までは急な階段が続き、汗をかきながら20分くらい登ります。かなりの勾配です。行く途中は水仙の花が群生して心地よい香り、頂上は広々、菜の花と富士山!絶景です。左に目をやると、凪の相模湾が広がり開放感に疲れもふっとびました。
秋はコスモスと富士山なのだとか。友人はコスモスを見たくて昨年の秋に来たら、前日に刈り取られてしまっていたのでがっかり。本日はそのリベンジなのです。しばらく心地よい風を楽しんでから小田原まで足を伸ばし食事をして、小田原城へ行きました。
出迎えてくれたのは槇の大木、見事な枝を伸ばし、幹はなぜか左巻きによじれています。猛々しく聳える姿は感動的です。小田原城の二の丸の大扉は銅門と呼ばれ、発掘調査や古絵図などから復元されたそうですが、木と銅のデザインが現代にない力強さを見せてくれます。
天守閣はこれも1960年に再建されたものであまり趣はありませんが、箱根の双子山や駒ケ岳、真鶴半島、伊豆半島まで眺望が開け、晴れた日には房総半島も見えるらしい。ともあれ、気の置けない友人とののんびり旅はいいもんです。


February15

庭のおんぼろ梅が今年もけなげに花をつけました。で、梅とアトリエを写真に撮り、トップページの柿の木とアトリエの写真と入れ替えました。あー春らしくなったね。ついでに背景色も水色にリニューアル!おー爽やか!中身も徐々にですがupしてゆきます。

10日くらい前、上野くんがA5二つ折りの紙を持ってきました。中身はマンガとエッセイ。アトリエ展に向けて2,3回出すそうです。タイトルは「コインブラのブラはあるく」意味は不明ですが、シュンスケくんとディスカッションして作ったそうで、なかなかいいですね。自己表現を兼ねて大いにアトリエ展を盛り上げてください。読んでみたい人はアトリエのパンフレットケースに入っていますのでご自由にお取りください。

そんなわけで今年のアトリエ展は早や準備にかかっています。と言ってもたいして進んでいませんが、気持ちだけはあせっています。3月27日〜29日と、例年より1週間早まったからです。みなさんご協力お願いしま〜す。
m(_ _)m 



January18

年に1,2回はこのパターンの写真がお目見えですね。そうです。ロンドン在住のMikakoさんが年に1,2回里帰りしたときに必ずAyaさんとアトリエに来てくれるからなのです。
今月中に来ることはわかっていたけど、今日であることは知らなかったから、突然の訪問にびっくり!二人がアトリエに座ると、「なんだか昭和の感じがするわ」と思わず言ってしまったけど新人が多い中、二人の存在は重厚なのです。
Ayaさんは「アトリエに来てからもう20年」というから、正に昭和ぎりぎり世代。長いお付き合いです。Mikakoさんは銀行に勤めながらクロッキーのコースで学んでいますが、せっかくのモデルを描きたいのに、新聞紙や針金で造形するカリキュラムだったりして不満なのだとか、国際派の彼女はモロッコに行った話など、いつも楽しい話題をお土産に来訪してくれるのがうれしい。




January17
「阿部奈央子展」始まりました。1月に個展をやるべく昨年の12月はがんばりました。休職中だったので、というより今流行の派遣切りに遭い、それでもめげず、毎日アトリエに来て、100号から6号まで7点描きあげました。
理屈ぬきですごい!このひたむきさをみんな忘れてな〜い?理屈が先行したり、ひきこもりで筆が止まっているそこの君!頭をガツンとやられに来いよ。

相変わらず友達やファミリーで狭いギャラリーはいつもマンパン。笑い声が絶えません。たくさん元気をもらえる展覧会です。25日までやっていますので是非充電に来てください。



January12

あけましておめでとうございます。
今日はちょっと風が冷たいけれどまずまずのお天気で、山元町から港の見える丘公園までぶらぶら・・・。ポートサイドのローズガーデンでサーロインステーキなど食し、フランス山を散策しながら下って、山下公園までテクテク・・・。そう、食べた分は消化しなきゃ。

いつ来ても三々五々適当に人がいてのどかねぇ。潮風も気持ちいいねぇ。
そこでマリーンシャトルに乗ってみることにした。横浜港湾内一周の観光船です。船内はゆったりしたソファのレストランのようですね。柱には亜熱帯風の造花がふんだんにあしらわれ、良い音楽が流れ、きれいなお姉さんが要所をガイドしてくれて、海側からみなとみらいを見るのも新鮮。本牧埠頭に並ぶ巨大なキリンたちは世界最大級のクレーンです。ちょっと馬鹿にしてたけど横浜ってすごいんだなと思いましたね。ケーキとコーヒーでプチクルーズを満喫!ベイブリッジを潜るときの写真(上)も結構かっこいいでしょ!
今年もがんばるぞ〜!!



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